α-version last update 2004/4/30
プレゼンテーションソフトに憧れるががUnix使い。 プレゼンテーションソフトに憧れるが数式が汚いのは嫌。
そんなあなたはTeXからPDFファイルを作ってプレゼンするのがいいでしょう。 PDFだからOS依存性は(あまり)ないし、TeXだから数式も綺麗。 で、どうせならハイパーリンクも使えればうれしいし、エフェクトなんかもばりばり 使いたい。流石に動画再生はきびしーけれど、seminarスタイルファイルなんて味気な いものは嫌だ。
そういうツールは Prosper, TeXPower等いくつかあるけれど、今回紹介するのは latex-beamer。 なぜこれを紹介するかというと他に日本語で紹介しているサイトがなかったから。 ビバ、マイナー指向!(そういえばDebian GNU/Linuxを使い始めたのも似たような動機 からだったな…)。
もうちょっと切実な問題としては、Prosperは最近開発が止まっちゃっているとか、そういう話もあって(開発が止まっているのは完成した証、という考え方もあるけど)。
ちなみにこのドキュメントはlatex-beamer ver.2.00準拠。今はもっと新しいのが出ているが、変更点をチェックしていないのでパス。ver. 2.20だと、QuickTimeムービーを埋めこむ等と言う技までできるようになっているらしいのだが、Unixではムービーに対応しているAcrobat Readerがないので判らない…。
まずマニュアルが丁寧。すごく丁寧。どのくらい丁寧かというと、「プレゼンテーション前に何分で話すのかを考えなさい」とか「あまり派手な効果は人目をひくが理解をさまたげるので使いどころを考えなさい」とか、全然Beamerクラスと関係ないけど重要な話が書かれている、それぐらい丁寧。このマニュアルは、最初の方だけでも一読の価値があると思う。
次にPDFLaTeXを使って出力をすることが前提で作られている。日本でメジャーなpTeXはPDFTeXに対応していないのでこれはちょっと困るのだが、後で述べるようにdvipsとps2pdfを使うことでなんとか回避可能。
あと、\sectionや\subsectionコマンド等が重視されている感じがする。文章の構造とか意味とかを重視しているのかな?文字に色をつけるのも\alertとかそういう名前だし。
あ、あと、PSTrickが使えないので注意。代わりにpgfというスタイルファイルが用意されている。
必要とされるのはbeamerのパッケージに含まれるスタイルファイル。それに加えて、 グラフィックを扱うpgfスタイルファイル、カラーを扱うxcolorスタイルファイル、 hyperlinkを扱うhyperrefスタイルファイルが必要。めんどうくさかったらbeamerとお なじディレクトリに放りこめばOK。
スライドはは通常pdflatexを使って出力するのが楽だが、生憎日本語TeXとして多用され ているpTeXにはpdflatexがない。方法としては、
等がある。ただし、前者の方法ではオーバーレイに対応していないので、\pauseをはじ
めとする殆んどの画面効果は使えない。ゆえに面倒だけれど後者がお推め。
後者で作製する場合は以下のようにする。まずTeXファイルを書くときに、
\documentclass[dvips]{beamer}
とdvipsオプションをつけておこう。
で、しこしこTeXを書いた後、dviファイルを
ptex hoge.tex
で作製。作製されたhoge.dviを
dvips -P pdf -f hoge.dvi > hoge.ps
としてPSファイルを作る。ここで-P pdfを指定しないと画面効果が端折られたりハイパ
ーリンクが使えなかったりするので忘れないようにしよう。
んで最後に
ps2pdf hoge.ps
でpdfファイルの出来上がり。
紙にプリントアウトするときは注意が必要だ。beamerクラスは基本的に
横128mm×縱96mmの範囲に文章を書くようになっている。これは通常のA4にくらべて
かなり狭い。プレゼンで使うときはどうせ全画面表示してしまうのでノープロブレム
なのだが、紙に出すと非常に小さくなる。そのため、普通に作ると紙のはし
っこの方にOHPがあるという寂しい状態になる。
dvips -P pdf -f hoge.dvi > hoge.ps
psnup -1 -W128mm -H96mm -pa4 hoge.ps hoge2.ps
などとpsnupコマンドで拡大してやろう。
Beamerではframeとpageという概念がある。frameとは、OHP一枚分のまとまり。 そして『ボタンを押すとあたらしい文章が浮かびあがる』といった効果は、frame内 の文章をpageで指定した文章がオーバーレイ(上書き)することにより実現されている。 故に、ページ毎に何をオーバーレイするか事細かに書いてやれば全て実現可能である。
…が、それでは不便なのでいろいろなコマンドが存在する。
まずは基本的なところから。
ということでdocumentのはじまりはこんな感じ
\documentclass[dvips]{beamer}
\usepackage{graphics}
\usepackage{fancybox}
\usepackage{hyperref}
\title{これがbeamer.styだ}
\institute{北大電子研情報数理}
\author{一宮 尚志}
\date{2004年1月23日}
\begin{document}
\frame{\titlepage}
\frame{\tableofcontents}
\section{イントロダクション}
\subsection{Unixでプレゼンする憂鬱}
\frame{
\frametitle{プレゼンをUnixでするにはどうするか?}
…
}
\frame{
\frametitle{Beamerの特長}
...
}
...
\end{document}
つづいては効果の基本、「マウスをクリックする度にちょっとずつ表示」。一番基本的な制御コマンドは\pause、\only、\uncoverあたり。
そのほか\invisibleだの\altだの\temporalだの、いろいろ表現があるが省略。
Beamerにとって、イロツキの文字を使うと言うことは、その色に意味がある、というこ とであるらしい。
hypertargetでラベルをつけて、hyperlinkで線を引く。簡単ですね。
右から文字が走って来る、とか、じわじわと文字が出て来る、などの効果を出す。効果的に使うと効果的だ(あたりまえ)。
ということで以前研究室のセミナーで使ったプレゼンテーションファイルをちょっとばかりいじったものをサンプルとしてのせておこう。
サンプルファイルと
そのソース。
より細かい設定については、マニュアルを参照のこと。 それでは、良いプレゼンを。
Beamerもversion 2.20以降だと、Acrobat Reader 6.0が使える環境ならなんと動画も見れてしまうと言う。ついでに以前のサンプルファイルは使用例としてイマイチなのでBeamer入門をプレゼンテーション形式にまとめてみた。 サンプルPDF。このPDFファイルをダウンロードし 、好きなMPEG動画をwater1.mpgという名前でダウンロードして同じディレクトリに置き 、PDFファイルを見て頂きたい。ちなみに私が試した時のmpegファイルは ここにあった Kissing Dropletのmpgファイルだ。んでサンプルのTeXはここ。